下北沢の家_F

長屋形式のコープラティブハウスのインフィル設計をしました。
住み手となるのは夫婦二人とお子様一人の三人家族。ご主人は、打ち放しコンクリート仕上げの空間を活かし、コンクリートの素材感で統一されたストイックな空間をご希望でした。そのため、リビングの壁面棚やキッチンカウンター、洗面台など、技術的に躯体と一体にできるものは全てコンクリートでつくれるよう設計し、現場で型枠を組み、配筋し、コンクリートを流し込んでつくりました。家具としては分厚いコンクリートですが、繊細でシャープなステンレスの棚板等と組み合わせ、機能的にも使いやすいようバランスを取りました。壁から持ち出したコンクリートのカウンターを支える支柱は溶融亜鉛メッキのスチールパイプを床スラブで固定しています。コンクリートの空間の中に、Modular製(ベルギー)の照明器具を要所要所に設置していくことで、工業製品としての美しさと温かみを加えています。ご入居後は観葉植物の植木鉢がどの部屋にもたくさん置かれ、緑に包まれた、居心地の良い空間になっています。
#設計・設計監理
Data
竣工 2008年
所在地 東京都世田谷区
用途 専用住宅
構造 鉄筋コンクリート造 地下1階地上3階
プロデュース 株式会社 アーキネット
スケルトン設計 有限会社 architecture WORKSHOP
構造設計 株式会社 構造計画プラス・ワン
施工 新日本建設株式会社

打ち放しコンクリートの壁・天井・モルタル仕上げの床でつくられた空間。 照明器具はModular製。

寝室を優しく照らすリネストラランプ(Modular製)

コンクリートの壁と一体につくられたキッチンカウンターとダイニングテーブル。 ダイニングテーブルにはIHコンロと可動式のステンレス製オイルガードを設置。

壁・床はモルタル仕上げ。バスタブはほうろう製。 天井はバス乾燥機の配管スペース確保のため、フレキシブルボード仕上げ。

ドライエリアに面した明るい階段ホールは洗面スペースと兼ねている。 photo by daici ano