霞ヶ浦の家

夫婦二人と子ども二人の四人家族のお住まいです。
代々受け継がれてきた土地の一部に息子世帯の住宅を新築しました。隣接する敷地の母屋には親世代と祖父母世代が住み、四世代の家族が和やかに共に暮らす豊かな環境です。
この住宅は母屋との適度な距離感を保ちつつ、互いの気配や交流が遮られないよう、開き方と閉じ方のバランスに配慮しました。外観に関しても、この土地の建築群のなかで浮きすぎないよう、素材を変えて二つのボリュームに見えるよにしたり、母屋を行き来する家族に圧迫感や閉塞感を感じさせないよう、大きな開口を設けたり、母屋との共生を意識して設計しました。家族間であってもプライバシーを保てるよう、視線や生活導線については、話し合いを重ねながら、心地よく暮らせる形にしていきました。
#設計・設計監理
Data
竣工 2011年2月
所在地 茨城県土浦市
用途 専用住宅
延床面積 127㎡(38坪)
構造 木造・地上2階
構造設計 株式会社 宮田構造設計事務所
施工 株式会社 郡司建設

使いやすくコンパクトにまとまったI型キッチンと、 作業スペース・ダイニングテーブルを兼ねた大きなテーブル。 素材はハードメープル。

三方に明るい障子戸の入った和室。 耐力壁は構造計算をして、明るさを妨げない手前側にまとめた。 天井はヒバ材を使用。

玄関と和室をつなぐ土間に客用トイレがある。 視線を遮りつつも、自然光の入る明るいトイレ。

吹抜の天井には開閉式のトップライトをつけ、風と光を通している。 その吹抜に面して大開口の明るい浴室をつくった。

トップライトからの自然光で明るい場所に洗面台を設置。 手前の梯子は、子どもの秘密の屋根裏へと通じる。

生活導線をスムーズにするためのコンパクトなサブ階段。 光と風を取り入れるための吹抜に設置。 1階ダイニングキッチンと2階の浴室・洗面スペースへのアクセスを良くしている。

母屋の敷地に面した位置に階段をつくった。 子どもたちがここから母屋の家族に手を振る姿も。

母屋の敷地に面して、玄関と階段室を配置している。 互いの様子や気配を感じられるオープンなつくり。 窓から見える2階は子どもたちのワーキングスペース。

白い塗り壁と杉板材の組み合わせで、 二つのボリュームを組み合わせたような外観にした。 この土地の他の建物とのバランスに配慮している。